2002年度 後期 第6回 細胞生物学セミナー
日時:10月15日(火) 17:00から
場所:ゼミ棟・C室
PROCUSTE1 encodes a cellulose synthase required
for
normal cell elongation specifically in roots and dark-grown
hypocotyls of Arabidopsis
Mathilde Fagard, Thierry Desnos, Thierry Desprez, Florence Goubet,
Guislaine, Refregier, Gregory Mouille, Maureen McCann, Catherine Rayon,
Samantha Vernhettes, and
Herman Höfte (2000)
Plant Cell 12 :
2409-2423
セルロース合成の制御機構の解明は、植物の発達の多様な局面の理解に不可欠である。セルロース微繊維は原形質膜上のターミナル・コンプレックス(TCs)と呼ばれるセルロース合成装置で合成される。
現在、セルロースシンターゼは大きな遺伝子ファミリー(CesA family)によってコードされていることが知られており、シロイヌナズナでは少なくとも10種のアイソフォームが認められている。そのなかには、PRC1やRSW1が知られており、prc1では根と暗黒下で生育させた胚軸において生長が阻害される事があらかじめ確認されている。
著者らは、シロイヌナズナにおいて、染色体地図に基づいたPRC1のクローニングに成功し、PRC1がCesA family の新しいメンバーであるCesA6をコードすることを発見した。また、prc1において、暗黒下で生育させた胚軸における細胞の伸長と肥大の抑制は、セルロースの不足や皮層細胞および表皮細胞に細胞壁の間隙が生じることが原因であることを示した。興味深いことにprc1とrsw1は非常に似た表現型を示し、セルロースの不足をもたらす。しかし、prc1はrsw1が影響を示したcell typeの一部にしか影響しなかった。この事実は、一部のcell typeでは、セルロース合成が少なくとも二種類のCesA
isoformの活性によって調節されていることを示している。
興味のある方は、是非ご参加下さい。
本間 善弘