2004年度 後期 第13・14回  細胞生物学セミナー

日時:11月9日(火)  1530~

場所:総合研究棟6階  クリエーションルーム

Influence of media components and pH on somatic embryo induction in three genotypes of soybean

Nicolle Hofmman, Randall L. Nelson & Scchuyler S. Korban

Plant Cless, Tissue and Organ Culture 77:157-163,2004

 

 現在、大豆のshootからの期間形成や不定胚形成の研究が行われている。器官形成では、子葉や第一葉の若い節を使用し、不定胚による再生では、未熟な子葉を使用した研究が報告されている。組織培養系は、遺伝子操作や改良などの研究に利用されてきた。大豆の大量繁殖や発生工学を発展させる最も重要なことの一つは、不定胚培養系である。

 今回の実験は、大豆の三種類の遺伝子型[Iroquois]、[Macon]、[Savoy]の不定胚発生時における培地組成の影響について調べた。

 培地中の、シュークロース濃度、オーキシンの種類(2,4-D,NAA)、オーキシン濃度、pH値を変えて実験を行った。

 植物片は、未熟な子葉を使用し、MS培地で培養した。

 シュークロースは、1~6%濃度、オーキシンは、2,4-DとNAAをそれぞれ、45.2~226.2μMを使用し、pHは5.7と7.0で行った。

 その結果、今回の実験で称した遺伝子型ごとで、著しく不定胚発生の割合に差が見られ、特に[Iroquois]が、最も高い不定胚形成率を示した。

 また、オーキシン、シュークロース濃度などの処理によっても、不定胚発生の割合は様々な結果を示した。

 シュークロース濃度の実験においては、[Iroquois]で2%シュークロース濃度の時、不定胚形成率91.7%で、子葉片当たり平均14.9個の不定胚が形成された。

 オーキシンとpH値による実験では、不定胚形成率は[Iroquois]の97.1%(135.7μM2,4-D)が、また、子葉片当たりの不定胚の平均数では、[Savoy]の19.5個(135.7μM2,4-D)が最も高い結果となった。5.7と7.0のpH値の間には有意差は見られなかった。

興味をもたれた方は、是非ご参加下さい。                       熊切 理恵