2011年度 後期第1回 細胞生物学セミナー

日時:1025日(火) 17:00

場所:総合研究棟6階 クリエーションルーム

Cytokinin regulates the activity of reproductive meristems, flower organ Size, ovule formation, and thus seed yield in Arabidopsis thaliana

 

Bartrina. I., Otto. E., Strnad. M., Werner. T., and Schmülling. T. (2011)

Plant Cell, 23: 69 – 80

 

シロイヌナズナにおける茎頂分裂組織活性,花器官サイズ,胚珠形成,種子収量のサイトカイニンによる制御

 

 茎頂分裂組織のサイズとその活性は転写因子や植物ホルモンのサイトカイニンを含む低分子量シグナルによって制御される。分裂組織のサイトカイニンはサイトカイニンオキシダーゼ/デヒドロゲナーゼ(CKX)の触媒によるホルモンの代謝低下を含む異なる要素に依存する。CKX3CKX5はシロイヌナズナの茎頂分裂組織の活性を制御することを示した。CKX3WUSCHELWUS)ドメインで発現し、CKX5はより広範囲な分裂点で発現が見られた。ckx3ckx5二重変異体は大きな花序と花芽分裂組織を形成した。WUSドメインのサイズは増加と、原基形成の促進はサイトカイニンの幹細胞ニッチの決定と細胞分化の遅延という2つの機能を示唆している。これと一致して、サイトカイニンシグナリングの負の調節因子遺伝子ARABIDOPSIS HISTIDINE PHOSPHOTRANSFER PROTEIN6は分裂組織の側面で発現し、細胞分化の大幅な遅延を引き起こした。末端細胞分化もckx3ckx5の花で遅延し、多くの細胞が形成され大きくなり、サイトカイニンの花器官サイズの制御における役割を裏付けた。さらに、ckx3ckx5胎座組織は定数以上の胚珠が莢あたりの結実の増加を導くことを証明した。加えて、その結果は生殖成長におけるサイトカイニンの重要な役割を支持した。サイトカイニン含有量の増加は結実の~55%増を引き起こし、生産因子としてのシンク強度の関連性を強調した。

 

味を持たれた方は是非ご参加ください。須藤 宇道